夏へのトンネル、さよならの出口 その向こう側は愛のある場所

 

 

夏へのトンネル、さよならの出口 (ガガガ文庫)

夏へのトンネル、さよならの出口 (ガガガ文庫)

 

 

自分の印象なのですけどガガガで一夏の青春モノみたいなテイストの作品が毎年かっ!?てくらい新人賞受賞作で出てる印象なんすけど。やっと出会えたわ。。。てなるくらい非常にラブなグッドフレンドみたいな作品に出会えた。あぁマジで良かった。

 

田舎の街に転校してきたヒロイン。重すぎる主人公の家庭。そして何かを手に入れられる、その代わり年が経ってしまうウラシマトンネル。主人公は大切な人を取りかえせるんじゃないかとそのトンネルを調べるという感じの話なんすけど。

 

マジでその雰囲気がずっと良いんだ。ずっと良いが混ざって良い雰囲気の読書を楽しめる。主人公の村上春樹みてえな湿っぽいような渇いたような感じと。ヒロインの何かに特別な人間になりたい、けれど触れ合うと知っていくと普通の女の子らしさのある可愛らしさ。とにかく良いな。。。良いな。。。すごくしみじみと絶え間なく続く。絶え間がマジで無いのよ。

 

そんなずっと良いなからの後半の展開。自分は息もしてるし、呼吸もしてる。けれども息もできなくなるくらいにこの作品に夢中になっていく。熱が少しともる。

 

大切な何かより大切なモノを掴み取る事が。それがどうしても息をさせてくれない。夢中にさせてくれる。ココが非常に良い。大好き。

 

トップをねらえみたいな展開。一つずつの火が二つになると最強になるガンバスターってのがトップをねらえだけれども。これもある意味大切な何かを掴み取った青春ガンバスター。青春スーパーイナズマキック。

 

前半では限りなくLOVEに近いlikeが絶え間なく続いて後半の展開でちょうどでかいLOVEへとなる。そんな作品なのです。つまり何が言いたいかって言うと超絶好きです。

 

 

恩田陸 蜜蜂と遠雷 読みました

 

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

 

あまりにも面白すぎる好きすぎる作品に出会うとその作品のことで言葉を紡ぎ、重ねる事に対してくだらないや馬鹿らしいやと思うことありませんか?私は多々あります。ソレは自分なんかが言葉を重ねたところでその作品の面白さなんてこれっぽちも伝えられない無力さというか自己肯定感のあまりの低さ。それとは反対にあまりにも作品の面白さ。

 

とりあえず読んでみたら楽しい読書になるので如何でしょうか?

 

前半は情熱で泣き続け後半は面白すぎてテンション上がり続け。ヤベえヤツみてえなんすけど、単純にこの作品の面白さがヤバすぎるだけなのです。

千歳くんはラムネ瓶のなか 君のいちばんに

 

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

 

 

この作品はリンドバーグの君のいちばんに…です。と感じた。読んでる途中にリンドバーグじゃね?と思い、試しに聴いてみたけど、おぉ!!コレコレと自分の中でかなりしっくり来たもんがあった。

 

リア充、チャラ男の主人公と言われてる千歳くんは基本ええ子やんね、飴ちゃんあげよーかって印象はスタートから感じ、結局ソレが最後まで続いた。リア充のチャラ男は現実では良いヤツだかんな。。。この作品売り方として『実は』良いヤツにやりたいのかな?と思ったけど、スタートからええ子やんて感じなんで。

 

まぁ気がかりなのは、ヒーローになるっていうのを場面ごとで出してる事かなぁ。こーゆーのってまぁどっかしら折れる場面があるような気がして。そんでケンタヤマザキくんとか周りの女の子から救いがあるみたいな。。。そんな展開は来るのかしら?来なくても別にいーけど。

 

かなり作中で一気に登場人物が出て、正直お前は誰なんだ??とわちゃついてるシーンでは上手く作品に入らなかったけど、ケンタヤマザキくんを助ける展開から物語に入り込め楽しめたけど。

 

まぁ面白いんだけど。何か引っかかるところがあるなぁ。

 

結構、スタートからヒロイン達との関係は作られて、千歳くんがヒーローとして助けた後の物語でもあんのかなぁ。

 

面白いけど。何処と無く引っかかるものがある。

ガイル、友崎くんもスタートはあまり恋愛的な要素薄めで導入してくけど、本作もそうだったな。

幼なじみが絶対に負けないラブコメ ハートの花びらひらひらな春の猛烈な嵐

 

幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

 

 

かなり高い水準の面白い!!だった。キャラのアクション、心情にかなり納得感がある。この場面にこのキャラがいたら?の行動表みたいなのがあったとしたら矛盾が一切感じられず、このキャラの性格ならこのアクションをすんなぁがしっくりくる。

 

ラストのタイトルの回収と締め方も良いと思うんだけども。二人の内のヒロインの内面の行方について、じっくり描いてて、ラストの告白シーンのもう一人のヒロインの行動が唐突に感じてしまったからもう1,2エピソード挟んでその片方のヒロインも描いてくれた方が分かりやすいんじゃないかなぁと感じた。

 

作中に未成年の主張にあったり、何か作者のワードチョイスやダンスバトルと言う展開の演劇やってるぽさと言うか率直に言うとダサさ野暮ったさ、ぶっちゃけ中年くささみたいなのがところどころに感じられた。未成年の主張ぽいのが今あったらゴメスて感じ。

 

全体的に登場人物の熱に白々しいモノは感じず楽しい作品でした。面白かった。

津原泰水 ヒッキーヒッキーシェイク 面白いから読もうぜい

 

ヒッキーヒッキーシェイク (ハヤカワ文庫JA)
 

 

話題になった件。正直、作家側出版社側の言い分とかどちらもしっくりこず。かと言って出版社側が全面に悪いなぁもしっくりこず。

 

残念な事がある。今回の件が無ければこのとても面白い傑作を読まなかった事だ。ソレはハヤカワで出す云々ではなく、少なくとも話題になってこの作品を耳にしなければこの作品を手に取る事は無かっただろう。ちなみにハヤカワの売り方もしっくりきていなあ。

 

しかし事実なんだ。今回の話題が無ければこんな面白い作品を自分は手に取らない。マジで良いじゃん!!と心を踊らせない。話題にならなければ自分がこんなにも面白い作品をきっと読まないまま終わってしまう。その事実だけがとても寂しいんだ。悲しい。

 

面白い本がきちんと読まれるようにという言い方は業が深いかもしれない。だからせめて自分だけは面白い本をきちんと読めていけたらなぁと。神様頼んます。

 

本作品の勝手にイメージソングはNUMBER GIRL鉄風、鋭くなってです。

鉄風 鋭くなって

鉄風 鋭くなって

 

ライトノベル好きな人におすすめな一般文芸 10選

てな訳で触発されたんでやってきたいと思います。

ほいじゃ早速下から書いてきまーす。

選ぶ基準はコレならイケんじゃね?という自分の独断と偏見です。個人的な好みで青春作品が多い。

 

1.ナイルパーチの女子会

ナイルパーチの女子会 (文春文庫)

ナイルパーチの女子会 (文春文庫)

 

百合モノのライトノベルが増えてきた?と耳にしました。分かりませんが。ならこのナイルパーチの女子会なんていけるんじゃないかと思いました。この作品が百合なのか。分からない。女同士の友情があるのか。分からない。百合が分からない。けれどこの作品の明確に面白いところがあって、主人公の女性がかなり非現実的みたいなキャラなのだが、後半主人公じゃなく主人公の周りがおかしいというか非現実みたいな逆転が起きるんだが、そこら辺の展開がマジでソッと心を抉ってゾッとする。非常に面白いです。

 

2.ねじまき鳥クロニクル

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

 

村上春樹ラノベというのをちらほらネットで見てきました。そしてサクラダリセットはSEXの無い村上春樹だとも見てきました。私にとっては地獄。みたいなものだった。ソレはともかくライトノベル好きな人に本作はオススメしたい気持ちはある。間宮軍曹の過去に燃えて加納クレタマルタ姉妹に萌えるはず。かもね。。。

 

3.ニキの屈辱

ニキの屈辱 (河出文庫)

ニキの屈辱 (河出文庫)

 

コレは力を込めて言えるのですが、ラブコメとか恋愛モノの描写でこの作品を超えるくらいに甘いモノを自分は読んで来なかったかもしれんとあまりに甘い恋愛エピソード。あんまぁてなりました。だからこそラブコメ好きにはこの作品は面白く映るんじゃ無いでしょうか?と。そして最後まで行ったときの感想が気持ち良いのか悪いのかそりゃ読んでから確かめて欲しいもんですね。

 

4.ロッキンホースバレリーナ

ある特定の世代ある特定の人間は、きっとオーケンに救ってもらった寄り添ってもらったと感じる人はいるでしょう。自分も少しそのけがありました。けれどもオーケンは寄り添ってくれないし自分の足で前に進むっきゃナイト!!って思うのかもしれない。バンド、恋愛、ワゴンの旅、ダイブ。そういった青春だ、この作品は。そういった青春は最高だ。

 

5.明るい夜に出かけて

明るい夜に出かけて (新潮文庫)

明るい夜に出かけて (新潮文庫)

 

アルコアンドピースのハガキ職人の男女が、恋愛にいくのかいかないのか、少なくとも心は優しく繋がっている青春モノ。出てくる登場人物の影みたいな暗い感情。そんな闇の中でも優しく灯る光の方へ向かってく、まるで深夜ラジオのように周りが寝静まった中で笑わせてくれて希望を持たせてくれるような。優しい青春作品です。私は泣きました。ボロボロと泣きました。声を上げて泣きました。ふわぁぁと声を出して泣きました。作中にアルピーのラジオが重要な位置にあるんだけど、ラジオを聴かない人でもめちゃくちゃ楽しめる青春作品です。超傑作。

 

 6.さよなら、シリアルキラー

さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)

さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)

 

シリアルキラーの親を持つ少年ジャズの青春作品。シリアルキラーの親から殺人の英才教育を受けて、それに抗おうとするジャズ。けれども心はキチンとティーンズのものも持っていて。全3巻のシリーズモノで1,2巻はミステリーで3巻になるとそのミステリーの要素が薄くなる。ヤングアダルトなのでライトノベルに含んでもいいような気もするが、とにかくマジで面白いから!コレ!!と言いたいんで選出しました。

 

7.消失グラデーション

消失グラデーション (角川文庫)

消失グラデーション (角川文庫)

 

作者である長沢樹はなんかライトノベルを書いていたみたいなのをどこかで見た気がするが。一体何を書いてたんだろう?と気になってはいる。この作品の面白い所はかなり登場人物のキャラクターに重きを置いていて、ライトノベル好きな人にもきっと合うわじゃ無いか?可愛すぎる名探偵にハマるんじゃないか?と。ラストまで読んだ時の爽快な仕掛けもオモロイです。

 

8.横道世之介

横道世之介 (文春文庫)

横道世之介 (文春文庫)

 

原作しか読んでない自分と映画しか観ていない友人Aと脚本しか読んでない友人Bが声を揃えて面白いと言った大学生の青春物語。この作品はやっぱり主人公の世之介がとても魅力ある人物であること。吉田修一は少し好きのある魅力的な男性を書くのがとても上手いなぁと。

 

9.海の仙人

海の仙人 (新潮文庫)

海の仙人 (新潮文庫)

 

オススメで上げといてアレなんすがあまり内容覚えて無いんですよね。ただめちゃくちゃ面白かったー!!と言うのは記憶している。ファンタジーとか言う神様のおっさんと一緒に暮らす主人公。その主人公のもとに二人の女性が恋愛する?みたいな話です。優しい文章に包まれます。

 

10.愛のようだ

愛のようだ

愛のようだ

 

自分があぁこーゆう文章を書けるようになれたらめちゃんこ幸せで書けるようになりたいなと一番の憧れを持ってる作家がブルボン小林こと長嶋有。本作ではうだつのあがらない感じのおっさんの主人公と病気により先が短い女性の恋愛作品。おっさんの女性への悲しみとかどうにもできないどうにもならない事を細かに間接的に丁寧に描写して、最後の展開。主人公と同じような心の爆発が起きる切ない物語。マジで大好きな作品です。

 

以上、独断と偏見による10作品。ライトノベル好きな人読んでくれーと思えるくらいにはどれも面白いっす。どこら辺がライトノベル好きにオススメなのよ??と言う部分は独断と偏見という言葉で逃げさせてください。

 

ライトノベルのお話でした。