人生 3

31アイスクリームが食べたいと思った。朝はそれなりに早く起きたのにYouTubeドラクエ11の結婚シーンとFF7の動画を見ながらだらだらしてるという人生でもそれなりにいらないなという時間の潰し方をしてたらふと思った。31アイスクリームが食べたいと。ふらりと駅前へ向かう。radikoでオードリーのオールナイトニッポンを聴きながら。

 

駅前へ着くと。流石に今日初めて食べるモノがアイスクリームってどうなの??と気持ちもあって、少し食べたくなってきたことも有り反対口の天ぷら屋と向かった。天丼とエビスの生ビールを頼む。やはりあんパンに牛乳に飛車角落ちしたら天ぷらとビールはよい勝負できるくらい良い組み合わせだなと思う。ビールが注がれたグラス丹若干汗が書いており春を感じる。

 

天ぷらを食べ終わると今度は当初の目的通りアイスクリームを食べようとしたけれども。流石に少しカロリー使った方がいーかな??と駅の反対口を散歩する。

 

自分の住んでる町でも駅の反対口となると知らない世界だ。多分コレはけっこう共感される事だと思う。線路が国境みたいに。意外と反対口なんて大抵分からないもんだ。特に田舎では。実際、分からなかったら何も無く、シンプルに住宅街。民家と民家がほぼほぼ等距離で並んでいる。それだけの道。だけども知らない道。

 

歩いてると梅の花が咲いてた。春よ、来いじゃない。もう既に来てた。居酒屋さくらと言う看板の前で梅の花がこれもとばかりに咲いていた。何でさくらの敷地内で梅なんよ?と思った。店は閉じていた。

 

ラジオや音楽を気分のままに交互に聴いていたら少し考えた。人生ってやり直しは出来ると言うけど、それは決して巻き戻しじゃないよなと。逆に早送りやスロー再生は人それぞれなんだよな。それは密度や体感、そして年齢の話なんだけど。巻き戻しはできない。けれども巻き戻たい時も無い。スロー再生でも前に進みたい。それしか無いんだし。

 

そろそろ良い感じの距離歩いたかな?とスマホの歩数はそれ程刻んで無かった。まぁ往復だと良い頃合いかな?と思う。

 

ずっと続く民家の道を右に曲がり線路を超える方向へと進む。そうしたら引き返せるから。ちょっと恥ずかしいのだが、そういった確実で安心で知ってる道に進もうとするのは人生のレールでも同じだなと。安定確実堅実は間違いない。冒険なんてやってみろ。ひのきぼうとかじゃしんどいっしょ。あードラクエ11やりたいな。

 

駅前に戻りとりあえず煙草吸いたいから喫煙所へと向かう。ガスライターの火が着かないから喫煙所へとほっぽりコンビニにライターを買いにいく。けど気づいたらおーいお茶濃いめしか買って無く、レジ袋を遊ばせまた喫煙所に向かってる途中でライターを買ってない事に気づく。まぬけ。そしてさっきほっぽったライターをカチャカチャさせるけど着かない。白髪交じりの叔母さんにライターを借りて、深く息を吐いて。タバコを深くゆっくりと吸う。そしてまたコンビニに向かってライターを買う。このなんというかぐるぐる具合と間抜けさ。これも自分の人生と重ねてしまう。

 

アイスクリーム屋に向かチョコレートミントと新フレーバーのダブルで頼む。そこそこ行ってる31アイスクリーム。初めて見る白髪交じりの老人の店員。リストラにあったのかな?それとも定年後のバイトかな?とストーリーを脳内ですぐに作り上げたら。名札を観たら店長だった。少し失礼な事をしたと思った。

 

自分の人生を遊べてないヤツが人の人生を勝手に作って遊ぶな。チョコレートミントの決して歯みがきとは感じない、甘さと爽やかさが口に拡がりながらそんな言葉が心にポツリと降ってきた。

 

 

人生 第3章 ガガガ文庫 人生

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