この感覚はあれだ。ゼーガペインが一番好きなんだけど、その後上遠野浩平のナイトウォッチシリーズ見て、ゼーガペインじゃんとなる感覚。消失グラデーションがはちゃめちゃに好きで、本作ヴィーナスの命題を読んだら消失グラデーションじゃんという感覚になった。
コレがまた本編の内容ではなく、導入が読み辛いけれども中盤に入るとガラリと物語が変わり始める気づいたら夢中になってる。という感覚すら似てる始末。
序盤は非常に読み辛い。リーダビリティとやらは弱いと思った。しかし作中の章で言う木曜日から本当にガラリと変わった。
登場人物達のまどろっこしい思わせぶりな会話と思考で包み隠されてものが、ガラリと雰囲気を変えてから徐々に徐々にそれが剥がされていき別の物語となっている。けれどもまどろっこしさは最後までつきまとう。
段階的にパンチ力あるものが提示されて、ぉお!?としょ、消失グラデーション!?という気持ちが綯い交ぜになる。まどろっこしい会話も気づいたら何言ってるんだよ、こいつらという気持ちから物語の真実を知りたいという気持ちに変わっていき物語への没入は増していく。
そんであのオチ。何なんすかね?このヴィーナスの命題て作品は。多分上記に書いた没入が上手くハマってなかったら肩透かしも良いところの作品になってる場合もある。けれども実際に夢中になってた。
物語に屈した。面白いですね。